宇高太鼓台

作品名 宇高太鼓台 完成年 平成25年
金糸の種類 布団締めについて
飾り幕の名称 上幕 神輿舎日光東照宮の陽明門日光東照宮の輪蔵殿神楽殿と唐獅子 飾り幕の名称 高欄幕 紫宸殿飛龍太平楽龍頭(平金)
中幕の有無 有り 重の段数
太鼓のメーカー 浅野太鼓 太鼓の大きさ 2尺3寸5分

作品への想い

宇高太鼓台のテーマは「平和」です。上幕には戦国時代に終止符を打ち幕府を開いた徳川家康を祀ると同時に平和な世の中が永遠に続きますようにとの願いで創建された日光東照宮。スズメがいても飛びかかって争うこともなく寝ている「眠り猫」。乱世を終わらせた英雄3名(頼朝、秀吉、家康)が乗る神輿が納められた神輿舎を配しました。高欄幕には平和国家の象徴と即位の大礼時に平和を祈る舞、そしてその儀式を執り行う神殿を配し「平和」が一番であるというメッセージを込めました。

布団締めについて

昭和50年代前半に高木縫い師が製作した布団締めを徹底的に分析し、高木作品のエッセンスを当社の作風に盛り込んだのが今回の布団締めの最大の特徴です。 金糸の種類は撚り金糸と平金糸を部分的に使い分け、顔の部分では撚り金糸を、ウロコでは平金糸を使用しました。これは先代の手法の踏襲ですが、撚り金糸は光の乱反射による膨張効果があります。このことで視覚的に幕を大きく見せる事ができます。特に迫力が大事な布団締めでは顔を浮き立たせる視覚効果を出すことで、より威圧感のある作品に仕上げました。 頭部の「コブ」においては凹凸部分の撚り金糸の合間から平金糸を出し、金糸を「織物」に変化させコブの筋を表現しています。 撚り金糸ならでは乱反射を活用した隠し味です。 ウロコは一枚一枚を別々に縫った差しウロコです。特徴としてはウロコの縫合に工夫を加え、全てのウロコではありませんが、尾で湾曲し肉が張った部分のウロコを立たせています。これは蛇などウロコを持つ動物が尾を巻いた時にウロコは体に密着せずに逆立って開いていることから、これを再現したものです。 尾の先端部分のイガにも「高木流」の良さを取り入れています。上下のイガをしっかりと縫い合わせせず、あえて開きを持たせる事で影を発生させました。その影により尾がより浮き出たように見えるという陰影を利用した視覚的立体効果を出しています。 イガでは先端が平金糸で、根元にいくにつれて撚り金糸に変わっていくという手法を取り入れました。先端は輪郭と光沢がハッキリとする平金から始まり、徐々に膨張効果と渋い光を放つ撚り金糸に変わる事で光と影のコントラストを明確にして、より立体的に浮き出た感じにしました。そして緑の玉刺繍を散りばめ、宇高太鼓台の色である「緑」の雰囲気を打ち出しました。 布団締めの厚みは42cmです。 宇高太鼓台の布団締めは「高木流」を基にしております。高木作品の布団締めは「立体」に重きを置いていませんので厚さはあまりありません。この高木風の布団締めを、金鱗風の立体で表現したら違和感が生じます。そこで「厚みを感じさせない」というこれまでとは真逆のアプローチを試み、背びれの反対側を忠実に表現しました。そうすることで胴体の円弧(建築用語で言うアール)は緩やかとなり、厚みは無いように見えますが実は背びれの反対側の底上げ空間により、42cmの厚みは出ているという手法を採用しました。

上幕

日光東照宮の陽明門

宇高八幡神社から太鼓台を見て、東側にある上幕(本殿から向かって左)には必ず日光東照宮の陽明門を配するという事が宇高太鼓台の伝統でありますので、その路線を踏襲しております。製作手法は落ち着きのあるベーシックな作りとしています。

神輿舎

陽明門の左には神輿舎(しんよしゃ)を配しました。その神輿舎の天井画(天女舞楽)に描かれている天女三体のうちの一人と唐獅子を立体的に表現しました。

日光東照宮の輪蔵殿

西(向かって右)には先代の踏襲である日光東照宮の輪蔵殿を配しました。この幕も新居浜ではオーソドックスな飾り幕の一つです。個性的かつ独創的な飾り幕の中に、この幕があることで非常に落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

神楽殿と唐獅子

北(正面)には神楽殿と唐獅子の幕を配するのが伝統となっておりますのでその伝統を踏襲し、今回はそれに加え日光東照宮のもう一つの顔である「眠り猫」を盛り込みました。

高欄幕

龍頭(平金)

東側には先代と同じく龍頭を配しました。ここには平金糸を使用しております。平金糸独特の光沢とツヤ、そしてハッキリとした輪郭の強さが特徴です。この龍は古来から国家の象徴である天皇陛下(王)となぞらえました。

紫宸殿

南(真後ろ)には王がお住まいになられる紫宸殿(ししんでん)を配しました。この幕は遠近感を持たせ、静かな佇まいの庭園で執り行われている厳かな儀式と、立体的な殿舎とのコントラストが特徴です。庭園には日本の国鳥である「キジ」と皇室の象徴である「菊」を盛込み、この殿舎が日本国の象徴であることを表現しました。

太平楽

西(向かって右)の幕では紫宸殿で執り行われている儀式を立体で表現しました。 これは太平楽(たいへいらく)といって天皇陛下の即位の大礼の儀式の時に五穀豊穣と平和を祈って踊られる舞です。即位の大礼とは天皇が王位を継承したことを内外に示す皇室最高儀礼で、その儀礼には甲冑(かっちゅう)を着て鉾(ほこ)と太刀を手に持ち太平楽を舞います。太平楽の太平とは平和で穏やかな状態を指します。

飛龍

正面(北)には宇高太鼓台の「顔」である飛龍を配しました。この龍の顔は撚り金糸で仕上げております。布団締めと同様、乱反射による視覚の膨張効果で顔をより浮き出たせ、威圧感を打ち出しました。 最大の特徴は「羽ばたきの表現」です。羽の部分が風を受けてはためいている事を表現するため湾曲をつけています

その他のこだわり

提灯

内幕