コラボレーションについて

記念すべき第一回のコラムはコラボレーションについての話です。

01私は山下縫い師から多大な影響を受けました。当然、私の作風には山下縫い師が得意とした「立体表現」が色濃く反映されます。

今回掲載した宇高太鼓台はこの立体表現を行わず、先代を製作した高木縫い師のテイストを私の作風に上手く溶け込ませるという、「コラボレーション」をテーマとしました。

2013年9月のフェイスブックでも記載しましたが背びれの裏側を底上げし、布団締めの厚みは持たせるが、全体的なシルエットでは厚く見えないという技法がそれです。

コラボといえば山下縫い師と高木縫い師のコラボレーション作品もあり、同じ図柄の龍を両名はそれぞれの解釈で縫い上げています。
この後に両名は技能を発展させ、一枚一枚に重点を置き、伝統に忠実な表現をもつ「高木流」、
山車そのもののシルエットの美を追求した「山下流」というように、一目で分かる程の個性的な作品を世に出していきます。
このコラボの時は一目で分かる程の個性は発揮しておりませんが、よく見てみれば後の両家の持ち味や特徴を感じとる事ができます。

このように高木家、山下家は時には盟友として、また時にはライバルとして、物の無い苦しい時代に切磋琢磨してオリジナリティを確立し、立体刺繍というものを作り上げたのだと思うと非常に感慨深いものがあります。

ところでこの両名は飾り幕の製作工房で幕を縫いながらどんな話をしたのでしょうね。