角野新田太鼓台


作品名 角野新田太鼓台 完成年 平成17年
金糸の種類 金糸 布団締めについて 巻尾
飾り幕の名称 三仏殿
輪蔵殿と鼓楼と獅子
陽明門
眠り猫と新楽殿
飾り幕の名称 高欄幕 獅子と竜宮門
獅子
獅子と重層御殿
獅子
中幕の有無 有り 重の段数 8段
太鼓のメーカー 太鼓正 太鼓の大きさ 2尺3寸

作品への想い

先代の太鼓台は布団締めから上幕、高欄幕に至るまで、全て山下縫い師の手によるもの。
これは新居浜市内では初めてと伝えられています。この山下縫い師が製作した昭和の傑作を平成の世において、最新の製作手法、最先端の素材を用いて再現することをテーマとして製作致しました。
図柄においては布団締めの龍で威勢を、上幕には平和の象徴である日光東照宮関連の幕を配する事で上品な雰囲気を醸し出し、静と動の融合を図りました。 また当作品の一番の特徴は獅子の立体感です。獅子の表現を陰影のある立体とし、下絵の力強さと躍動感をそのまま表現できるよう工夫を凝らしました。
獅子の数も縁起のよい数を用い、角野新田地区の富貴が続くよう願いをこめました。

布団締めについて

布団締めは当社が得意とする差しウロコ方式を採用しております。また剣、爪に至るまで全て金糸縫いです。
そして龍の表情をより豊かなものにし、生命感を表す為、目の瞳孔の表現に工夫を加えました。

上幕

三仏殿

図柄は前作と同じです。高欄幕の唐獅子が非常に躍動感のある図柄となっておりますので、上幕の日光東照宮関係の幕は特殊な技法の採用は極力抑えて「上幕の静」と「高欄幕の動」とのコントラストを明確にしました。
また、遊び心として、幕の左端には、東西南北の色を表す四神の内の一つの青龍を表現しています。
屋根の瓦は当社が得意とする一枚一枚別に縫い上げたものです。

輪蔵殿と鼓楼と獅子

図柄は新居浜型の太鼓台で最もポピュラーな物の一つです。ほぼ前作と同様の作りとしております。
全体的な幕のバランスを考え、獅子の数を前作より一頭増やし、又、遊び心の一つとして、四神の一つの玄武を幕左端の中央に表現しました。
屋根の瓦は当社が得意とする一枚一枚別に縫い上げたものです。

陽明門

図柄は新居浜型の太鼓台で最もポピュラーな物の一つです。ほぼ前作と同様の作りとしておりますが、先代の幕よりも、より忠実に再現することで、陽明門の重厚感を表現しております。
又、田之上太鼓台や宇高太鼓台の陽明門との視点の違いによって、表情に違いがあります。

幕の中央より、やや右の屋根の先に四神の内の一つである白虎の尻尾を表現しています。
屋根の瓦は当社が得意とする一枚一枚別に縫い上げたものです。

眠り猫と新楽殿

図柄は新居浜型の太鼓台で最もポピュラーな物の一つです。ほぼ前作と同様の作りとしております。
幕右上の屋根の後ろに四神の内の一つである朱雀の羽を表現しています。
平和の象徴とされる眠り猫の表情にもこだわっております。
屋根の瓦は当社が得意とする一枚一枚別に縫い上げたものです。

高欄幕

獅子と竜宮門

この幕の一番の特徴は門の中の「光沢」です。金糸を留めていく赤糸が見えないよう、縫いに工夫を加えました。
このことにより表面は平金独特の光沢が非常に強く出ており、遠くからでも光を感じ取る事ができます。

獅子

高欄幕の獅子の図柄は先代の踏襲ですが、下絵の力強さを削がぬよう当社が得意とする立体で製作しました。
輪郭、シルエットを明確にし、筋肉を力強く見せ、絡み合う獅子の躍動感を表現しています。
また獅子の横には牡丹を配し「富貴」の願いを込めています。

獅子と重層御殿

一枚の幕の中に「躍動感のある獅子」と「上品さのある御殿」が同居しており、図柄において静と動のコントラストが非常に明確に 出ております。

製作技法においても立体感のある獅子と屋根の張り出しを抑えた御殿とで陰影のコントラストをつけています。

獅子

高欄幕の獅子の図柄は先代の踏襲ですが、下絵の力強さを削がぬよう当社が得意とする立体で製作しました。
輪郭、シルエットを明確にし、絡み合う獅子の躍動感を表現しています。
もう一枚の高欄幕の獅子との構図を変えることで、獅子遊びの表情の違いを表現しています。
また獅子の横には牡丹を配し「富貴」の願いを込めています。